2008年04月30日(水)                                  |   赤松珠抄子
車の横顔、美しい

住空間をメインにする仕事にしてから
世の中が休みの時が忙しい!
というサイクルになってきました。

このゴールデンウィークは、いつものことながら
春休みの時期におさまりきらなかった物件などで
休みなく働いています!
それでも今年は、とびとびのせいか
都内がそんなに空いている感じはしませんね。
これから、ですかね。

いろいろ材料など調達した帰り、
すっかり夜、屋上のパーキングに向かいました。
そこには、ウチの車だけがポツリ。

外壁のイルミネーションが上半分だけ漏れて
後光が差したような、
何とも感動的な光景が広がっていました。
時間が止まったような、静寂の中に浮かぶワイン色。

やっぱり、ウチの子は美しい!
どんなに疲れてても、一瞬にして元気になる一瞬!
これを見ると、また「頑張ろう!」と思えます。
この横顔、本当にいいですよねえ。
ほれぼれ、ほれぼれ。



せっかく綺麗な瞬間なのに
後ろの赤が邪魔…


そして逆からも撮ってみた


反対側は新宿副都心
そのキラキラより
遥かにキラキラしてる!

 2007年08月08日(水)                                  |   赤松珠抄子
箱だけのために買うモノ

パッケージを集めています。
絶妙なサイズ、独特なロゴやデサイン、懐かしい素材、
そして全体的にレトロな雰囲気が好きです。
非常に細かいところまでデザインされていて
この一箱のために、全身全霊で向かっていったような
根底に流れる意気込みを感じます。
どれだけ月日が経とうとも、主張は生き続けているもの。

先日、見つけたのは「生姜糖」。
甘いものが一切、だめなのですが
箱に魅かれて買いました。

何ともいえない、生姜糖一筋な感じがいい。
手作業で貼られたような箱と
昔ながらの書体や生姜のイラスト、ラベルのデザイン。
すべてが、気に入りました。
そこの棚の中で、唯一、輝いていました。
結局、中身は事務所のスタッフにあげて
箱だけを、私の大切なコレクションに追加。
気になる箱に出会うたび、持ち帰っては整理をする、
私にとって、至福の時間です。


箱の蓋、正面
ほんの少しズレた
ラベルもいい味


左は、説明書
中は、板状の生姜糖が
包まれていた紙
あえて1色なところがいい


 2007年07月07日(土)                                  |   赤松珠抄子
癒しの「布」

カーテンの打ち合わせで「布」さんにお邪魔しました。
気付いたら、思わず長居してしまっている、
そんな自然体の落ち着くお店です。

もともと学生時代の同級生が
ここでファブリックを手掛けていたのがきっかけです。
あれから何十年か経ちますが、
今でも、一緒に仕事ができるのは幸せなことです。
他のスタッフの方々も、さりげなく個性的で
私にとっては、なんとなく癒される空間なのです。
キモチで話せている感じが心地よいのでしょうか。

「布」さんの生地は、勿論、オリジナルで
ここでしか触れることができません。
私はいつも、手掛けている家に合う生地を選び、
カーテンやタペストリーなどに加工してもらっています。
手がこんでいるのに、主張し過ぎない仕上がりが
なんだか、いいんですよね。

何かが、ちょっと足りない…
と思っている人には、
きっと、心くすぐられるお店だと思いますよ。


六本木アクシスの
地下1階


青い布のコーナー
素材感が何だかいい!


繊細な刺繍が施してある
手前の生地は
昔から気になる柄


 2007年05月22日(火)                                  |   赤松珠抄子
愛車洗車、また洗車

私の事務所用の作業車は、ワイン色のキャデラックです。
インテリアや現場仕事が多いと
ワゴンなど大き目の車に乗ってそうなイメージですが、
それが嫌だったのです。
1日中、材料や家具などリサーチや買い付けにまわり、
戻った駐車場で、疲れた体に元気が戻るような
そんな車に乗りたかったのです。

これは一目見て、即決!
内側もワイン色のベルベットで、
まるでワイン樽の中に、ゆっくり沈み込んでいくよう。
デザインも、流線型は受け付けないので、
このカクカクの箱車の顔の美しいこと!
(なんだか、昔、同じようなことを書いた気が…)

そんな愛する車を、
雨が降って、あがっては洗車をしています。
ここのところ、1週間に1回のペースで雨が降り
毎週、3時間くらい、ずっと洗車している気がします。
やっぱり雨跡がボツボツ残った状態で放置できず、
雨上がりの朝は、ソワソワします。

そんな中、1日だけ、即洗車できない日がありました。
間違いなく、その1日に起こったことと思うのですが…
昨日、いつものように我を忘れて磨いていたら
フロントに変な文字が現れてきました。

「大家さんに預けています」

それって…宅急便の不在伝票のセリフ???
それって、人の車の上で書くううう???
気が変になるかと思いました。
1日経ってしまい、伝票も破り捨ててしまい、
証拠はなく、でもこの空白の1日の不在伝票は1枚。
ああああああ………

磨いても磨いても、余計に浮き出てきてくる文字…
たった1日…
でも、雨跡模様があるピカピカしていない車だったとして
その上で、作業するでしょうか…
泣きそうになりました。
こんな時こそ! 愛車をブッ飛ばして走りたいのですが…
この子をこんなに愛していても、私は運転ができない…
一緒に哀しみと怒りを分かち合えない…
だから、磨く! 文字が浮き出る… 磨く! 文字が…
また森村さんのガレージに行こうかな…


映り込みもピカピカ!


ワイン色とシルバーとの
このコンビが好き


ガラスもガシガシ磨く


いつか凹みも直したい


事務所の洗車セット

 2007年05月10日(木)                                  |   赤松珠抄子
外用のゴミ箱探し再開

「ゴミ箱」として売られているものに、
いいデザインのモノは、なかなか見つかりません。
できることならば室内に「ゴミ箱」というものを置かず
生活が成り立つなら、そうしたいくらいです。

事務所では、工業用の塗料など材料が入っている缶を
ゴミ箱代わりにしています。
ただの筒状で、とてもシンプル。持ち手もあり便利。
部屋ごとに色分けして、可燃と不燃2つずつ置いています。
ところが、これが一杯になるとゴミの日まで
ストックをする必要があり、それが屋外しかありません。
外用の大き目のゴミ箱で、デザインも素材もいいものって
探してもなく、スーパーのカゴに仮に入れていました。
それが最近、無性に我慢ができなくなり、
急に、再び探し始めました。

その時、思い出したのが、数年前、雑誌のスタイリングで
「ゴミ箱提案」として使った、蓋付きのブリキのバケツ。
確か英字で「OBAKETSU」って
書いてあったような気がして…早速、検索!
存在していました!
この無骨な昔ながらの雰囲気が、とってもいいのです。
よく見たら素材は、ブリキではなくトタンでした。
トタンは亜鉛メッキ鋼板で、屋根材でよく使われるの。
なので風雨にも耐え、錆びにくいので完璧です。

何年経っても「定番」として継続している商品て
素晴らしいな…としみじみ思いました。
思わぬ再会に、シャンパンを飲んでしまいそうでした…


屋外の、しかも室外機の
上にしか置けません…


ボコボコした質感がいい
時間が経ってからの
色の変化も楽しみ


蓋を引っ掛けられる
小さなアイデアだけど
大きな便利に

 2007年02月27日(火)                                  |   赤松珠抄子
色鮮やかなラグ、ラグ、ラグ

最近、シャギーラグのリクエストが多く
いろいろ見てまわっていました。
室内空間と家具とのバランス、色の配分など
完成するインテリアのイメージを頭の中に描きつつ、
単色にするか、ミックスにするか、
はたまた素材はどれを選ぶか、などなど考えます。
そう、床暖房に対応するかどうかも重要確認項目です。
床暖房が入っているお住まいで、対応していないラグだと
接着剤などが溶けて大惨事になりかねません。
そんなあれこれを考えつつ、
私の思う、イメージ通りのラグに出会いました。
10年以上前から、お付き合いのある、
等々力にショールームがある日本フクラです。
なんと、ここ数年でラグを始めたそうなのです。
家具では定評があり、メーカーとしても安心。
しかもラグの色ヴァリが豊富で、
インテリアを思う存分、楽しめそうな予感がします。
空間は、本当にラグ1枚でもガラッと印象が変わるので
ここの品揃えは、力強いですよ!
しかも床暖房対応だし、パイルの形状も選べます!
カットした15mmのもの、ループ、シャギーなど。
サイズも最大4000×6000mmまで、
100mm単位でオーダーできるので
自分の部屋に合わせて作ることができます。
ここ数日、ちょっと感動しているラグ、でした。


発色がいい!
サンプルの棚


同じくサンプルの棚
素材感がいい


ミックスシャギー


上のミックスシャギー右
ピンクバイオレット
ミックス

 2007年02月02日(金)                                  |   赤松珠抄子
初めて欲しいと思った加湿器

どんなに室内が乾燥していようが、肌の調子が悪かろうが
どんなにお医者さまに進められても
加湿器というモノを、室内に置きたいとは
今までの人生、一度も思うことはありませんでした。
ああいう納得できないデザインが
自分の好きな空間に存在しているというだけで、
ちょっと我慢がならなかったからです。
だったら、石油ストーブにホーローのヤカンをかけたり
水を入れたグラスをダダーーーーーッと山ほど置いたり
肌にはクリームを塗る、など別のことでケアしてきました。
ところが最近、手掛けている住宅の依頼人より
「部屋に合う加湿器を入れたい」というリクエストがあり
困ったなぁ…と思いつつも探すことになりました。
そんなものは存在しないから、どうしたものか…と
思っていましたが、ありました!
しかも最初に見かけたのは、別件で出掛けた東急ハンズ
その「chimney(チムニー)」という
煙突状の加湿器は、実にシンプルなデザインで
でも本当に、蒸気が出ると煙突のようで愛嬌があり
場所をとらないコンパクトなサイズ。
初めて「これなら私も買いたい!」と思いました。
メーカーやデザイナーが全面に出ないで
商品が束になって主張する、モノの力も気に入りました。
久々に、プロダクトに心動かされました。


いつもの事務所のヤカン

0202_02.jpg
チムニー全員集合

 2007年01月26日(金)                                  |   赤松珠抄子
素材が進化する哀しさ

素材感のあるボソボソした感じのモノが気になります。
旅行に行っても、最新のモノや都市より
時間に取り残されたような遠くの村が好きです。
また、そこで手づくりされている紙や瓶が
その素材が生きている感じがして、これまたいいのです。
そういう意味でいうと、日本はドンドンきれいになり、
素朴さが敵のように、ジャンジャン進化しています。
そんな日本でも、細々、生き抜いている味わいある素材を
見つけると、ちょっと気分が盛り上がります。
その一つに、年賀状用に買う切手の束がありました。
雑な感じがいいクラフトの短冊に束ねられていました。
が!!! 去年は変なビニールになっていたのです!
束自体はクラフト紙で挟まれていましたが
これもいつかは、いなくなってしまうんだな…と思うと
やっぱり残念なキモチになってしまいます。
ちょっと粗雑な感じは「味」なのに、なぜ消え行くのか。
でも今回は、この切手に、無駄な楽しいことを発見!
百人一首の絵柄で、切り落とす白い縁に
なんと! 歌が書かれていたのです!
これを何とか、どこかに貼れないか、いろいろと
考えたのですが、やっぱり無理でした。
捨てられるのを覚悟で、余白にまでデザインされた姿は
実に美しく、ビニール短冊で落ちた気分も上昇!
いや、もしかして他に使い方があるのでしょうか…


切手の束、表面


裏面


鮮やかな切手全景

 2006年10月07日(土)                                  |   赤松珠抄子
愛するキャデラック

インテリアの仕事する上で必要になるのが車。
家具を運んだり…と考えると
大型のワゴンなどをイメージするのですが
それが、どうしても嫌でした。
どんなに疲れていても、車に到着した時に
元気になれる車にしたかったのです。

最初に買った車は
中古のクラウンで箱車。外装は黒塗り。
内装はシルバーがかったグレーのベルベット。
いつもピカピカに磨いていましたね。
乗り込むと、違った気分になれて大好きでした。
これが事故に巻き込まれ、修理に出した際に
トヨタの修理の人は、直してはくれず、
新車を勧めてきました。
そのセンスのなさにガッカリ。
新車を喜んで買うような人間に見えますか?
こういう車に、こだわって乗っている感性が
微塵も伝わらない言動に、情けなく、
「部品がない」=「廃車」という決め付けにも
相当、腹ただしさを感じました。
でも私は、家を直せても、車は直せない。
廃車を決定せざるをえず、近くのファミレスで
昼から、赤ワインをガブ飲みしました。

その後、車を探すと同時に
部品がなくても直してくれる人も探しました。
愛している大切なモノを失うのは
本当に哀しいものでしたから、
同じことが起きないようにしたかったのです。
そこで出会ったのが、カクカクした箱車と
ガレージモリムラの森村亨さんです。
このワイン色のキャデラックは、乗ると、
ワイン樽の中に包まれているような感じがして
疲れが、一気に吹き飛ぶパワーをくれます。
この心地よさを、死ぬまで大切にしたい。
こういう私の想いを森村さんも理解してくれて
内側を少しずつ、きれいにしてもらっています。
私にとっての、車の主治医ですね。

先日、修理後の車を取りに伺ったところ、
「アメリカから、このキャデラックの型の本を
取り寄せましたよ。これで一生安泰ですね」
と、言ってくださいました。
キモチが通じるって幸せ! そんな一日でした。


右は森村亨さん

 2006年04月28日(金)                                  |   赤松珠抄子
主張ある紅茶の缶

最近、パリの友人から紅茶をもらった。
KOUSMICHOFF」というメーカーのもので、
缶がとっても可愛い。
サイズといい、デザインといい、バランスといい、
可愛らしさが凝縮されている。
種類によって、デザインが違うパッケージも素晴らしい。
でもフランスっぽくなく、かといってオリエンタルでもなく
どことなく異国情緒ある雰囲気。
なんてことない缶が、ラベル一つで、
ここまで存在感あるものになるなんて・・・・
誰が作ったのか気になった。
その名の通り、クスミチョフさんが、
19世紀にロシアのサンクトペテルブルグで始めた会社で、
ロシア皇室御用達の紅茶。
その後、パリに渡り、再開したものらしい。
そういった歴史が小さな缶から滲み出ている。

 2006年03月25日(土)                                  |   赤松珠抄子
「こだわる」というキモチ

ある企業がやっているリフォームセミナーに、
向学のために行って来ました。
いろんな質問が飛び交う中、思ったことは、
コンセント一つ、シンク一つ、取っ手一つ、
気になっている人がこんなにもいる!
そういう現実を知ることができ、嬉しくなりましたが、
同時に、どうしていいか分からないで
困っているのを見るのは苦しいものでした。
私に頼んでくれればいいのに…と思いながらも、
こういう人は、どうやって依頼先を探すのだろう…
と思ってしまいました。
私の事務所には、
今、いろんな相談がきますが内容は様々。
それだけ、インテリアに興味を持って下さる人が
増えた証拠だと思っています。
無理な内容でも、可能な限り、
お互いの納得できる範囲でお応えしたいと思っています。
ただ、これだけはご理解頂きたいのは、
空間を造り上げるのに一日ではできません。
テレビや雑誌では、時間の都合でそうなっていますが、
そんな簡単なことではありません。
「部屋」や「家」という空間は、
住人と話し合いを重ねて構築していくものです。
そこにしかない空間のためには、
やはり時間はかかります。
どんな小さなことでもいいので、
こだわりある家づくりで困ったら、連絡してみて下さい。
よく「忙しいのでは…」と言われますが、
そんなことはありません。
みなさん、そう気を使って下さいますが、
大丈夫なものですから!
私は、どんな小さなモノにでも、
こだわるキモチを大切にしたいと思っています。


こだわりのモノたち

 2006年02月15日(水)                                  |   赤松珠抄子
ヘビ革の財布

モノを失くして、泥のような泥酔状態から
パキーーーーンッと、
眼が覚めるような体験をしたことがありますか?
実は、私、人生で初めて、こんな思いをしました。
寒気を超えて、凍てつく儚さに押し流されそうでした・・・
モノは、大好きな大好きな、ヘビ皮革の大きな財布。
現金はいいから、「財布」よ、返って来て!!!!
と、これまた人生最大の雄たけびを、心の中で叫びまくり。
しかも請求してない領収書が数カ月分、入っている・・・
財布が分厚いのは、コレだから!!
記憶を辿ると、間違いなく、あの外のベンチなのだ。
モノで溢れているバッグを整理した、あの時に違いない。
すぐさま店に電話した。
コールバックを、こんなに待ちわびたことはない。
リリ・・・、コンマ何秒で出た。
財布の特徴を聞かれ「それでしたら届いております」と!!
拾って下さったのは、
カインズホーム青梅店の店員の方らしい。
本当に、本当に、有難うございました! !
あなたのお陰で、あと100年、長生きできる気分です。
ちなみに、その財布は、流行に関係なく、
皮革が活きるデザインがいい Les sac Adamのモノ。
皮革好きな人は、是非、覗いてみて!!

 2006年01月14日(土)                                  |   赤松珠抄子
ベルビアンのシート

リノベーションの現場では、作業をしながら気付くことや、
造りながら思いつくこともある。
依頼人と一緒に、セルフビルドで手掛ける物件の面白さは、
その場で相談ができて、プランが成長していく所かな。
昨日は、各種サンプルが届いた。
これらも、一つずつ現場で見ながら決めていく。
部屋の光の具合や、
雰囲気をイメージしながら考えたいからだ。
キッチンでは元の棚を活かして、扉に淡い色、
冷蔵庫にシルバーのシートを貼るプランだった。
それを数色、私が愛用しているベルビアンのシートを、
A4サイズのサンプルで頼んでおいた。
このシルバーが、嫌みなテカリがなく、
実にいい感じの色味!
そこで、すべてシルバーにまとめることにして、
間に嵌め込んだタイルを
モノトーンからカラフルな色合いに変更。
きっと可愛いキッチンになるに違いない!!